8月10日から14日にかけてカナダ・バンクーバーで開催された「SIGGRAPH2025」のArt Galleryにおいて東京都立大学(インダストリアルアート学科研究室)と女子美術大学(ファッション表現領域/メディア表現領域研究室)の共同研究「Sympathetic Wear」が採択され、作品展示を行いました。
『ChoreoFin』
ChoreoFinは、水中生物のヒレやエラに着想を得たKinetic Dressである。観賞魚であるBetta splendensの鮮やかに広がるヒレ、leucistic axolotlの房状のエラ、P Polypterusの連なるヒレなどは、進化の過程で獲得された機能を持ちながらも人に装飾的な美しさを感じさせる器官である。これらにインスピレーションを得て、生理的機能と装飾性のあいだにある曖昧さを衣服表現へと昇華した。また、人魚や半魚人といった神話的存在のイメージを重ね合わせ、生命感とファッションの装飾性が交わる姿を追求している。素材には、布の柔らかさや通気性を損なわずに金属的な輝きを付与したナノ金属被膜布(nano-metal-coated fabric)を用いることで、生物の鱗を思わせる質感とドレスとしてのエレガンスを表現している。ヒレやエラを模した部分は、形状記憶合金を利用した15本のアクチュエータによって有機的に動き出す。ChoreoFinは観客の動きに応じて震え、呼吸するように揺らぎ、海中に息づく生物のように佇む。
ChoreoFin: Breathing in the Ocean. SIGGRAPH 2025 Art Gallery, ACM.
https://www.youtube.com/watch?v=V0DBtzGqylk&t=7s
<制作者>
●東京都立大学
中安 翌/柴﨑 美奈/串山 久美子
●東京都市大学
阪口 紗季
●女子美術大学
平島 有紗/山村 美紀(ファッションテキスタイル表現領域 )
首藤 圭介/檀上 誠(メディア表現領域 )
内山 博子









